青之丞のひとり旅日記

男一匹、ひとり旅。

静岡ひとり旅 2022.9.23~24

台風が来ていたが、予定通り熱海・三島の旅にでる。

踊り子号

10時30分東京発の「踊り子9号」に乗る。車窓から見える景色は山梨にむかう「かいじ号」のほうが旅をしている雰囲気を感じられてよかった。「踊り子」はずっと都会を走るのでいつも見ている景色と変わらない。台風が近づいているので空は鈍色。

神奈川県を通りすぎ、海が見えるころになってやっと旅気分になってきた。熱海に到着して、大きな荷物をコインロッカーに預け、ランチができる店を探す。駅前の商店街を散策するも、ちょうどお昼の混雑時間とバッティング。できれば海の幸を食べたいと思っていたが、どこも長蛇の列で時間がかかりそうなので、駅ビルでの看板で見つけた「伊豆太郎」に行ってみる。

伊豆太郎

若干、列にならんだけれど、いままでの中では一番すいていた。にぎり寿司を食したのち、タクシーに乗って「MOA美術館」にむかう。国宝の尾形光琳の「紅白梅図屏風」がいちばんの楽しみ。

MOA美術館メインエントランス

タクシー止まった場所で入場券を購入し、館内に入るもずっとエスカレーターが続き、エスカレーター美術館なのかと思うほど、いくつももエスカレーターを乗り継ぐ。あとでパンフレットを見ると、7基のエスカレーターを乗り継いだらしい。その途中にある円形ホールがとても素晴らしかった。とても大きなドームが巨大な万華鏡になっている。

円形ホールの巨大万華鏡

壁に沿っておかれているソファに座って上を眺めていると、時間の経過を忘れてしまう。学芸員なのか監視員なのか、「紅白梅図屏風」の展示場所を聞いたところ、残念ながら、「紅白梅図屏風」は毎年2月の展示となっていて、このときは倉庫にしまわれているという。やってしまった。調べればそれぐらいすぐわかることなに。気を取り直し、仏像、屏風、壺などの展示品を見て回る。

国宝 色絵藤花文茶壺  野々村仁清 江戸時代

豊臣秀吉ゆかりの黄金の茶室  史料に基づいた復元

館内ある能楽堂

展示物のジャンルの幅が広くて楽しい。1Fに戻ると、ちょうど「ラ・パティスリー・デュ・ミュゼー・パール・トシ・ヨロイヅカ」があり、どうせ混雑しているんだろうと覗いてみると、「いらっしゃいませ!」とすぐに案内してもらえそうなので、運がいいとばかりにケーキセットを注文。

ラ・パティスリー・デュ・ミュゼー・パール・トシ・ヨロイヅカの入り口

ヨロイヅカプロデュース ラズベリーケーキ

おっさんひとりが分不相応な空間で、かわいすぎるおいしいケーキを食べれたことに感動。ちなみに、カフェから出るときはお客さんの列ができていた。

MOA美術館は屋外展示もたくさんあって尾形光琳の屋敷の復元や、唐門や茶室がある「茶の庭」も楽しめる。

予定では、MOA美術館の近くにある伊豆山神社も訪れたいと思っていた。晴れていれば歩いていくつもりだったが、帰るころには雨が強くなり、タクシーが捕まらなさそうだったので、伊豆山神社は断念して、美術館から熱海行きのバスに乗ることにした。

熱海駅で荷物をピックアップして、東海道本線で三島に向かう。この旅のいちばんの楽しみは、最近できた「富士山三島東急ホテル」に泊まって部屋の窓から富士山を眺めることだった。ホテルにチェックインして部屋からの眺望を確認するも、雨なので富士山の姿は全く見えない。富士山は翌日に期待して、日本代表のサッカーの試合が始まる前に、夕食を摂りたかった。ホテルのレストランは混雑していて、一人で入る勇気が持てず、雨の中、三島駅周辺をふらふらして、入れそうな店を探す。焼肉屋と中華屋と寿司屋のどれかにしぼられ、さんざん迷った挙句、「三島コロッケ」に惹かれて、「のあき」という中華屋に入ることにした。

三島コロッケ

見た目は、普通のコロッケで、食べた感じも普通のコロッケだった。強いていえば、じゃがいもの存在を強く感じるコロッケ。できたてのコロッケはホクホクでおいしかった。メインは五目チャーハンにしたのだが、これがほんとうまくて、お代わりをしたいぐらいだった。ちなみに、三島コロッケは、ここだけでなく、かなり多くのお店で食べれるみたいで、存在を知ってからは、「三島コロッケ」の文字を至る所で目にした。こんな中華屋さんが自宅の近くにあればいいのに。

部屋に戻り、サッカーをみるころには、台風がだいぶ近くに接近してきた。サッカーを見ているとテレビ画面に緊急速報が頻繁に流れ、磐田、掛川、島田、焼津と大雨洪水警報がどんどん三島に近づいてきた。サッカーが終わるころにはお隣の沼津まで警報が出る。とはいえ、カーテンを開けてみても三島はそれほど雨が降ってる状況ではない。ちょっと場所が変われば、洪水で夜も眠れない状況の人がいるのに、わざわざ他県からやってきて、雨を眺めている自分が、とても不謹慎に思えた。深夜遅くに、雨の音で目が覚めたような気もするが、朝までゆっくり睡眠をとった。

翌朝、目覚めたとき雨は小雨で、降ったり、やんだりという状況だった。帰りは三島から新幹線に乗って帰る予定だった。しかし昨晩から、新幹線が運転見合わせをしていて、2日目の朝も名古屋~三島間が運転見合わせだった。三島~東京間はこだま号は運転しているようだが、ダイヤは乱れているらしいので、朝一番でJRの窓口で状況を聞くと、新幹線のホームで待っていて、来た新幹線に乗ってくださいと言われたので、思い切って、新幹線をキャンセルして、早めの「踊り子号」の変更してもらった。三島では「クレマチスの丘」と「三島大社」を訪れる予定だった。天候が悪かったので、「クレマチスの丘」はあきらめ、13:04分発の「踊り子号」に乗り前に、三島大社だけは行こうと思った。

一度部屋に帰り、帰る支度を整えたうえで、御朱印帳と最低限の荷物を持って歩いて三島大社に向かう。今年は高麗神社、鹿島神宮瑞巌寺とおみくじを3回引いて3回とも「大吉」で、今回はさすがに大吉はないだろうと、三島大社でおみくじをひいたところ、またもや大吉。大吉連続記録が更新された。たしかに、今年はいろいろとよい年だったと思える。運勢は今年よりも来年が最高によい年らしいので、来年も楽しみだ。よくない運勢や、占いはすぐに忘れるくせに、いい運勢は忘れない。得な性格なんだろう。

三島大社

政子と頼朝が座って休んだとされる腰掛石

無事にお参りをして、御朱印をいただき歩いてホテルに向かうが、「源兵衛川」というのが名所らしく近くらしいので寄り道をする。

源兵衛川

ホテルには11:00頃戻り、曇り空の窓を眺めていると、富士山はあいかわらず、まったく見えなかったが、ふっすらと虹が見えた。

晴れていれば雄大な富士山が見える窓。虹が見えた。

昨晩食べたチャーハンが忘れられず、三島を離れる前にもう一度チャーハンを食べて帰ろうと思い、再度財布だけを持って「のあき」に行く。昨晩のおばちゃんに「チャーハン」ください!というと、「ごめんなさい、用事があっていま店に来たばかりで、ご飯が炊けていないの」と言われがっくり。余計にチャーハンが食べたい欲求がたかまりつつも、「同じチャーシューを使っているから、チャーシューメンもおいしいよ」と言われ、仕方なくチャーシューメンを食すも、やはりチャーハンには及ばない。チャーハンを食べたい欲求を増大させるためのランチになってしまった。

急いで部屋に戻り、12:45分いチェックアウトして、三島駅から「踊り子号」に乗って帰路についた。その日の午後早くに、新幹線は全線で運行された。

窓からの富士山、伊豆山神社クレマチスの丘、そして「のあき」のチャーハンを食べるためにも、快晴の日をねらってもう一度チャレンジしたい!