静岡ひとり旅 2022.9.23~24
台風が来ていたが、予定通り熱海・三島の旅にでる。
10時30分東京発の「踊り子9号」に乗る。車窓から見える景色は山梨にむかう「かいじ号」のほうが旅をしている雰囲気を感じられてよかった。「踊り子」はずっと都会を走るのでいつも見ている景色と変わらない。台風が近づいているので空は鈍色。
神奈川県を通りすぎ、海が見えるころになってやっと旅気分になってきた。熱海に到着して、大きな荷物をコインロッカーに預け、ランチができる店を探す。駅前の商店街を散策するも、ちょうどお昼の混雑時間とバッティング。できれば海の幸を食べたいと思っていたが、どこも長蛇の列で時間がかかりそうなので、駅ビルでの看板で見つけた「伊豆太郎」に行ってみる。
若干、列にならんだけれど、いままでの中では一番すいていた。にぎり寿司を食したのち、タクシーに乗って「MOA美術館」にむかう。国宝の尾形光琳の「紅白梅図屏風」がいちばんの楽しみ。
タクシー止まった場所で入場券を購入し、館内に入るもずっとエスカレーターが続き、エスカレーター美術館なのかと思うほど、いくつももエスカレーターを乗り継ぐ。あとでパンフレットを見ると、7基のエスカレーターを乗り継いだらしい。その途中にある円形ホールがとても素晴らしかった。とても大きなドームが巨大な万華鏡になっている。
壁に沿っておかれているソファに座って上を眺めていると、時間の経過を忘れてしまう。学芸員なのか監視員なのか、「紅白梅図屏風」の展示場所を聞いたところ、残念ながら、「紅白梅図屏風」は毎年2月の展示となっていて、このときは倉庫にしまわれているという。やってしまった。調べればそれぐらいすぐわかることなに。気を取り直し、仏像、屏風、壺などの展示品を見て回る。
展示物のジャンルの幅が広くて楽しい。1Fに戻ると、ちょうど「ラ・パティスリー・デュ・ミュゼー・パール・トシ・ヨロイヅカ」があり、どうせ混雑しているんだろうと覗いてみると、「いらっしゃいませ!」とすぐに案内してもらえそうなので、運がいいとばかりにケーキセットを注文。
おっさんひとりが分不相応な空間で、かわいすぎるおいしいケーキを食べれたことに感動。ちなみに、カフェから出るときはお客さんの列ができていた。
MOA美術館は屋外展示もたくさんあって尾形光琳の屋敷の復元や、唐門や茶室がある「茶の庭」も楽しめる。
予定では、MOA美術館の近くにある伊豆山神社も訪れたいと思っていた。晴れていれば歩いていくつもりだったが、帰るころには雨が強くなり、タクシーが捕まらなさそうだったので、伊豆山神社は断念して、美術館から熱海行きのバスに乗ることにした。
熱海駅で荷物をピックアップして、東海道本線で三島に向かう。この旅のいちばんの楽しみは、最近できた「富士山三島東急ホテル」に泊まって部屋の窓から富士山を眺めることだった。ホテルにチェックインして部屋からの眺望を確認するも、雨なので富士山の姿は全く見えない。富士山は翌日に期待して、日本代表のサッカーの試合が始まる前に、夕食を摂りたかった。ホテルのレストランは混雑していて、一人で入る勇気が持てず、雨の中、三島駅周辺をふらふらして、入れそうな店を探す。焼肉屋と中華屋と寿司屋のどれかにしぼられ、さんざん迷った挙句、「三島コロッケ」に惹かれて、「のあき」という中華屋に入ることにした。
見た目は、普通のコロッケで、食べた感じも普通のコロッケだった。強いていえば、じゃがいもの存在を強く感じるコロッケ。できたてのコロッケはホクホクでおいしかった。メインは五目チャーハンにしたのだが、これがほんとうまくて、お代わりをしたいぐらいだった。ちなみに、三島コロッケは、ここだけでなく、かなり多くのお店で食べれるみたいで、存在を知ってからは、「三島コロッケ」の文字を至る所で目にした。こんな中華屋さんが自宅の近くにあればいいのに。
部屋に戻り、サッカーをみるころには、台風がだいぶ近くに接近してきた。サッカーを見ているとテレビ画面に緊急速報が頻繁に流れ、磐田、掛川、島田、焼津と大雨洪水警報がどんどん三島に近づいてきた。サッカーが終わるころにはお隣の沼津まで警報が出る。とはいえ、カーテンを開けてみても三島はそれほど雨が降ってる状況ではない。ちょっと場所が変われば、洪水で夜も眠れない状況の人がいるのに、わざわざ他県からやってきて、雨を眺めている自分が、とても不謹慎に思えた。深夜遅くに、雨の音で目が覚めたような気もするが、朝までゆっくり睡眠をとった。
翌朝、目覚めたとき雨は小雨で、降ったり、やんだりという状況だった。帰りは三島から新幹線に乗って帰る予定だった。しかし昨晩から、新幹線が運転見合わせをしていて、2日目の朝も名古屋~三島間が運転見合わせだった。三島~東京間はこだま号は運転しているようだが、ダイヤは乱れているらしいので、朝一番でJRの窓口で状況を聞くと、新幹線のホームで待っていて、来た新幹線に乗ってくださいと言われたので、思い切って、新幹線をキャンセルして、早めの「踊り子号」の変更してもらった。三島では「クレマチスの丘」と「三島大社」を訪れる予定だった。天候が悪かったので、「クレマチスの丘」はあきらめ、13:04分発の「踊り子号」に乗り前に、三島大社だけは行こうと思った。
一度部屋に帰り、帰る支度を整えたうえで、御朱印帳と最低限の荷物を持って歩いて三島大社に向かう。今年は高麗神社、鹿島神宮、瑞巌寺とおみくじを3回引いて3回とも「大吉」で、今回はさすがに大吉はないだろうと、三島大社でおみくじをひいたところ、またもや大吉。大吉連続記録が更新された。たしかに、今年はいろいろとよい年だったと思える。運勢は今年よりも来年が最高によい年らしいので、来年も楽しみだ。よくない運勢や、占いはすぐに忘れるくせに、いい運勢は忘れない。得な性格なんだろう。
無事にお参りをして、御朱印をいただき歩いてホテルに向かうが、「源兵衛川」というのが名所らしく近くらしいので寄り道をする。
ホテルには11:00頃戻り、曇り空の窓を眺めていると、富士山はあいかわらず、まったく見えなかったが、ふっすらと虹が見えた。
昨晩食べたチャーハンが忘れられず、三島を離れる前にもう一度チャーハンを食べて帰ろうと思い、再度財布だけを持って「のあき」に行く。昨晩のおばちゃんに「チャーハン」ください!というと、「ごめんなさい、用事があっていま店に来たばかりで、ご飯が炊けていないの」と言われがっくり。余計にチャーハンが食べたい欲求がたかまりつつも、「同じチャーシューを使っているから、チャーシューメンもおいしいよ」と言われ、仕方なくチャーシューメンを食すも、やはりチャーハンには及ばない。チャーハンを食べたい欲求を増大させるためのランチになってしまった。
急いで部屋に戻り、12:45分いチェックアウトして、三島駅から「踊り子号」に乗って帰路についた。その日の午後早くに、新幹線は全線で運行された。
窓からの富士山、伊豆山神社、クレマチスの丘、そして「のあき」のチャーハンを食べるためにも、快晴の日をねらってもう一度チャレンジしたい!
山梨ひとり旅 2022.5.14~15
2回目のひとり旅は山梨県。旅の目的地は、清春芸術村と山梨県立美術館。
本来、「晴れ男」なのに、旅行は雨予報が多いこの頃。なにかの本で読んだけど、自分を「晴れ男」というのは埼玉県民の特徴らしい。本では「晴れ男」と自称する人間をとても残念な人と捉えていたことを承知している。それでも、なんの躊躇いもなくいうところは典型的な埼玉県民ということなのだろう。
家を出るころは予報通りの雨。新宿に着くころには雨はあがり、曇天の空。新宿から11時ちょうど発のあずさ17号に乗り込む。新宿からたった1時間くらで景色はがらっと変わり山の中。ぽつんぽつんと民家が。こんな山奥でどんな生活をしているのか、何で生計を立てているのか想像する。山奥に住んだことのない僕には想像もできないことを想って生きているのだろう。いろいろな場所で、いろいろな職業で、3ヶ月交代くらいで経験して、いろいろなことを知れれば楽しいだろうなぁと思う。
韮崎で下車して、JR中央本線で長坂駅に向かう。韮崎の駅のホームから、富士山が見えた。その写真を撮ろうとホームの端まで歩いていく途中で電車が到着するアナウンスが流れ、富士山の写真はあきらめる。人がまばらの車両に乗って長坂駅まで駅4つ。約20分の乗車。長坂駅でコインロッカーに大きな荷物を預けて、清春芸術村を目指そうと思っていた。が、長坂の駅に到着すると、駅は無人駅で、駅周辺にコインロッカーはないことが判明。仕方なく大きな荷物を持ったまま。13時近くなり、腹もヘリ、もしかしたら、コロナ禍で清春芸術村のレストランが閉まっているかもしれないと思い、駅前でレストランを探すと食堂を発見。どう考えても駅周辺にはここしかないと思われる。
昔懐かしいチャーシューメンを食べる。腹ごしらえができたところで、タクシーに乗って清春芸術村に向かう。途中、タクシーのうんちゃんが、南アルプス天然水の工場があり、よくサントリーの人を乗せるらしいが、とにかくサントリーは金を持っていて、コロナ禍でもまったく変わらなかったと教えてくれた。
入場料を1500円を払い、立ち入っていい場所、いけない場所の説明を受けて入場。目の前のど真ん中に円形の建物「ラ・ルーシュ」。一面芝生なので歩いていて気持ちがいい。一番、興味があった建物「茶室 徹」まで歩く。
子どもの頃テレビで見たアニメ「トム・ソーヤの冒険」のハックルベリー・フィンの家を思い出してしまう。ずっとハックの家に住んでみたいと思っていた。それが、茶室とは思っていなかった。藤森照信氏の設計で、高さ4メートルで室内は1.7坪。一般公開されていないのが残念。中に入ってみたい。
中に入ることはできなかったが、「白樺図書館」。ちゃんと白樺の木が茂っている。雑誌「白樺」の復刻版や美術書が取り揃えてあるらしい。館長は谷川俊太郎氏。
「ルオー礼拝堂」20世紀最高の宗教画家ジョルジュ・ルオーを記念して建設された礼拝堂。
中に入ると宗教画が飾ってあったり、パイプオルガンがある。光の具合が微妙で、時々の入光具合によって、様々な雰囲気が味わえそう。
「エッフェル塔の階段」エッフェル塔完成百周年の1989年にエッフェル塔の一部がフランスより、清春芸術村に移設された。彫刻はセザールによるエッフェル像。
セザールによる彫刻の巨大な親指。2メートルくらいの高さがある。裏側にまわると、指の腹にちゃんと指紋の描かれている。
「清春白樺美術館」「白樺」の運動に参加した芸術家の作品が収められている。バーナード・リーチの作品や「白樺」の創刊号から最終号まで展示してある。大昔に読んだ「友情」の著者・武者小路実篤の生写真が展示されていて、初めて実篤のお顔を見ることができた。
このオブジェはタイトルとか由来の説明が一切なく、案内にも掲載されていない。でもこれが一番印象的だった。勝手なイメージだけど、水滴の中の家。周りから丸見えなので落ち着かないと思うが、特に雨に日にここで過ごしてみたいとおもった。
この他にも、安藤忠雄氏設計の「光の美術館」や「梅原龍三郎アトリエ」「清春登り窯」「清春ガス窯」の展示があり、広い敷地に芝生があり、のんびり、ゆったりアートと触れ合うことができる、とても気持ちのいい場所だった。あまり大きくはないけど、ミュージアムショップもあり、いつも実術館を訪れた時のように、絵葉書を数枚購入。唯一の難点はアクセスが不便なこと。再び、長坂駅に戻る手段がない。たまたま、ランチをした「みなと食堂」でタクシーの電話番号が掲示されていたので、それをメモっておいて助かった。タクシーを呼んで長坂駅に戻る。長坂駅から、甲府駅に向かう電車はほぼ1時間に1本。次の電車が来るまで約30分。駅の反対側を散歩したり、近くのベンチに座って電車を待った。とにかく、本当になにもない駅だった。
ホテル談露館に辿り着き、チェックイン。駅から歩いて10分の位置。それなりのお値段のするホテルだったけど、部屋もあまり広くなく、建物はちょっと古く感じるホテルだった。部屋に入ったのはまだ16時頃だったから、遊びに出かけようと思いつつ、「ちょっと休憩」のつもりでベッドに横になったら、いつのまにか深い眠りについていた。目を覚ましたのは18時頃。そろそろ、夕食の時間だ。駅からホテルまでの道中、「武田神社」と「ほうとう 小作」の看板が気になっていた。前回のひとり旅では、夕食の時間が苦手だった。特に前回はリゾートだったので、予約して、ひとりでディナーを食べるということがとても苦痛だった。今回ははじめから「ほうとう」を食べると決めていた。甲府城を見がてら、他に「ほうとう」のお店がないか探す。甲府城には時間的に入場は出来ないと思っていたが、観光地というより公園にようになっていて、自由に出入りができる。ところどころライトアップされていたので、明日行くつもりだったが、夜に行ってしまうことに。
天守閣はないが、頂上から見渡すと遠くに城壁が見えて、大きな城だったことがわかる。そして城の敷地内(?)になぜかオベリスクが建っている。
Googleマップで調べてみると、「甲府城謝恩碑」となっているが、由来はわからない。そろそろ腹が減ったので、新たに見つけた焼き肉店に行こうか迷ったが、せっかく山梨にいるのだから「ほうとう」を食べようと「小作」に向かう。
はじめての「ほうとう」。メニューを見て、「ちゃんこほうとう」(エビ・タラ・ホタテ・鶏肉等)と馬刺し、焼き鳥を注文。馬刺しが食べれるところは、その昔、馬を乗り継ぐ宿場町だったところが多いと聞いたことがある。関東では小田原がそのいい例だと。甲府も城があったし、この事例にあてはまるのかもしれない。
ほうとうは、ひらべったいうどん。みそ味に、海鮮の出汁がでていて最高にうまかった。ただ、苦手な野菜がたくさん入っている。馬刺しもうまいし、焼き鳥もほくほくで最高にうまかった。ほうとうのバリエーションもたくさんあって、今度食べる機会があったら、辛みを追加してみたいと思った。こんな店が家の近くにあったら、週2回くらい通いたいと思うくらい美味だった。人生初の「ほうとう」は大成功だった。一度もお茶をしていなかったので、カフェを探したが、どこも閉店していたので、駅のタリーズでアイス・カフェラテを飲む。山梨ではいまでも、入店時に連絡先をきちんと記入させられる。コロナ感染者が出ると連絡来るらしい。ゆっくり、まったり音楽を聴きながらコーヒーを飲み、ホテルに戻る。甲府の夜は、若者のグループをたくさん目にする。若者が10人前後で行動している。近くに大学があって、サークル活動なのかなぁと思って見ていた。あと目についたのは、居酒屋ではなく、おしゃれなバーがたくさんあった。夕寝をしたのに、まだ眠いのでシャワーを浴びて就寝した。
翌朝は8時に起床。若干の仕事をして、ホテルをチェックアウト。駅まで歩いて、バスの時間を確認。あまりに待つようならタクシーを使おうと思っていたが、待ち時間は20分くらいなので、1番乗り場でバスを待つ。バスに乗る事20分くらいで山梨県立美術館に到着。
山梨県立美術館の一番の魅力はミレーの作品が豊富にあること。そして、それが常設展なのでほとんど人がいないところで、ゆっくりと自分のぺースでミレーの作品を鑑賞できること。おなか一杯ミレーを観賞。そして、たまたま偶然、フランソワ・ポンポン展が開催されていた。最初は、だれ?それ?と思っていたけど、「シロクマ」を見て、どこかで見たことがあると。「シロクマ」は写真撮影可だったのでいろいろな角度から撮影したなかから、お気に入りの1枚。
シロクマだけでなく、たくさんの動物が描かれていた。なかでも「モグラ」が一番印象的だった。山梨県立美術館は、庭にもたくさんのアートが展示されている。
クローバーが咲いた芝生に大きな銀色のリンゴがあったり、時期的にバラ園のバラが咲いていたりと、あっというまに時間が経過してしまう。
帰りのバスの時間を確認して、ランチを食べるところを探す。ちょうど昼時だったので、美術館の前のピザ屋は満席でかなり時間がかかりそう。とぼとぼ道を歩いていると、甲府ミュージアムハウスがあり、レストランが併設されていて、「レストランのみの使用可」との看板を見つけ入店してみる。あまり期待せず「ビーフカレー」を注文する。見た目、ふつうのカレーなんだけど、食べてみると、すごーく美味しい。おかわりをしたいくらいのカレーだった。ピザ屋が混雑していておかげで、おいしいカレーに巡り合えた。バスで甲府駅に戻る。昨日、看板を見かけた「武田神社」までの道のりを調べてみると、片道約3キロ。帰りの特急の時間は15時15分発。あわてる旅行はしたくないので、武田神社はまたの機会に。まだ行ったことない甲府駅北口を散歩することに。
まずは昨日甲府駅についた時に駅のホームから見えて気になっていた建物。
行ってみると、藤村記念館という建物だった。もともとは学校の校舎だったらしい。ずいぶんとおしゃれな学校だ。そしてその広場の中央に武田信虎公の像があった。
甲府駅の南口は武田信玄公が、北口は武田信虎公が鎮座している。そして線路沿いを歩くと、「甲府 時の鐘」を発見。埼玉県人にとって「時の鐘」と言えば川越だが、甲府にも「時の鐘」があった。
ボタンを押すと20秒後に鐘がなるとあるので、ボタンを押してみたが鐘らしき音はせず、再度挑戦すると、ブススという音がするだけだったので、故障中だったのかもしれない。特急の時刻までまだ少し時間があったので、昨晩行ったタリーズで時間をつぶし、駅で信玄餅を買って特急に乗り込んだ。
沖縄のひとり旅よりは、旅を味わうことができた2回目のひとり旅だった。目的地の環境によって気持ちも変わるようだ。次は、どこに行こう??
新宿11:00発 あずさ17号 韮崎12:34着
甲府15:15発 かいじ12号 新宿16:58着
宿泊:ホテル談露館
この旅でヘビロテした曲 milet 「One Reason」
沖縄ひとり旅 2022.4.22~24
ひとり旅をして、47都道府県のすべてを制覇し
でも、ひとりの時間に向き合って、
まずは、沖縄を選んだ。
初日、残念ながら、天候はあまりよくない。機内では、
羽田空港から、那覇空港まで1648km。飛行機時間は2時間1
ひとりでいると、LINEが来ると必要以上に絡みたくなり、
車を借りてはじめに向かった場所は残波岬。断崖絶壁と灯台が美しい場所。岩に座って海を眺めていると時間が経つのを忘れてしまう。残波岬に向かう途中、定宿のホテル日航アリビラが見え、裏切ってしまったような気持ちと、沖縄に来ているのに素通りすることにさびしくおもう。
残波岬は夕方の時間に来ると綺麗な夕焼けが楽しめる場所でもある。
次に向かった場所は、万座毛。象の鼻のような岩。万座毛という名前は、1万人が座れるくらい広い場所ということに由来しているらしい。数年前までは、土産屋はなく、入場料も払うことがなかった観光地らしからぬ場所だったが、今は、立派な土産屋と軽食が食べられる食堂が一体となった建物がある。入場料は100円。万座毛には10回くらいは訪れているが、空が青かった記憶がない。いつも曇りのイメージ。
ひとりきままな旅なので、欲張らずにホテルにむかう。まだ午後4時ころだったが、はじめてのホテルなので、ホテル内や近くを歩いてみようと思った。
ホテルの外見は普通のホテルに見えるが、中に入ると屋上まで吹き抜けで、開放感があり、外見よりも中に入ったほうが豪華。チェックインをして、手荷物を少なくするために、事前に送った荷物を部屋に届けてもらってから、ホテル内を探索。ショップもすべて確認して、ビーチに足を伸ばす。沖縄の海でいちばん好きな海が恩納村の海なので、ホテルを選ぶのにホテル自体よりも立地、恩納のホテルに泊まりたかった。晴れた日の恩納ブルーはとても綺麗なのに、曇りの恩納ブルーに残念でしかたがない。海とホテルの敷地の狭間に堤防があり、その堤防の突端でボーッとすのがお気に入りになった。
円錐形の屋根の建物はこのホテルのレストランのひとつ。陽が暮れてきたので、部屋に戻る。ひとり旅でいちばん苦手なのが、ご飯を食べること。ホテルにもいくつもレストランがあったが、リゾートでひとりご飯はさびしくおもい、なかなかどこで食べるか決められないまま時間だけが過ぎていく。結局、ホテルのレストランではなく、アメリカン・ヴィレッジの「STEAKHOUSE88」の美浜店へ。ランチも空港の「STEAKHOUSE88」だったけど、肉は好物なのでそれはそれでよかった。22時過ぎに部屋の戻ると、シャワーを浴びて24時頃就寝した。あっという間に一日が終わってしまった。
翌朝は朝食をつけていたので、ホテルの「SAILFISH CAFE」でビュッフェ。自分の好きな具材を選んで、その場で焼いてもらえるオムレツが美味だった。コーンの具材を選びチーズをたっぷりとリクエストした。この日にまず向かったのは、世界遺産の今帰仁城跡。58号線(ゴーパチ)を北上する。許田までだった高速道路が今帰仁まで延長していた。
晴れていれば今帰仁から見える海も綺麗なのだが、この日も曇り空。経験上、沖縄は北に行けばいくほど晴れの確率が減る。最北端の辺戸岬は雨に降られることが多い気がする。今帰仁城跡の土産屋で絵を購入した。色使いが独特な素敵な絵。
今帰仁在住のアーティスト運天肇さんの絵に魅了され、フクギ並木から伊江島を望む絵を購入。これから今帰仁城跡に来るたびに1枚ずつ買い足していきたい。
フクギ並木の絵を買ったのは、フクギ並木が大好きで、次に行こうと思っていたところがフクギ並木だったから。美ら海水族館はいつも素通り。沖縄に移住できるなら、フクギ並木のあたりがいいと思っている。
そもそもは風から建物をまもるために植えられたフクギ。フクギ並木から伊江島がみえるのだが、その海の色がとても美しく、沖縄の好きな場所のひとつ。この日は一日フルに使える唯一の日だったので、久しぶりに、やんばるに行ってみようと思っていた。県道からゴーパチにぶつかり、左折すればやんばる、右折すれば名護・恩納のところで、急にホテルに帰ることを選択。おそらく、一人でなければ左折をしていただろうに。のんびり気ままな旅なのでハンドルを右に切った。アンナ・ジ・エンドの「大人になって」を聴きながらホテルにむかう。テレビのCMで聴いたアンナ・ジ・エンドの声に魅了され、この旅は1曲リピートで聴きまくった。いつもは朝食を食べない生活なので、朝ごはんを食べると昼になっても食欲が湧かない。ましてや、ブッフェでたくさん食べたから、なおさらだ。とはいえ、このまま夕食まではきっともたないと思い、コンビニでサンドイッチを買って食す。ほんの数年前まで沖縄にセブン・イレブンはなかった。那覇に数店舗ができたのを見ていたが、那覇以外でもたまに見かけるようになった。
ホテルについて部屋に荷物を置くと、お気に入りの場所・堤防の突端に行く。ぼーっとしていると目の前に大きな岩があり、いつのまにか岩と自分を比べていた。僕は明日帰らなくてはならない、でも僕は行きたいところに行ける。岩は好きな所に行けないけれどずっと、僕の寿命よりも長く沖縄いることができる。どっちが幸せなのだろうか?若い頃なら、間違えなく自分が幸せと思えた。もちろん、いまも沖縄の海にいるだけの岩よりは自分でいたいと思うが、若い頃に比べると「絶対」と思える度合いは確実に減っている。岩も岩でそれなりに幸せなのかもしれないと思う。
気づくとだいぶ陽が暮れてきたので一度部屋に戻る。また、ひとり旅で一番苦手な食事の時間。今日こそ、ホテルのレストランで食べようかとホテルにもらったレストランリストを見るが、結局決められず、思い切って読谷の顔馴染みの焼肉屋に行くことにする。石垣牛の肉を楽しめる、そしてたまごスープが最高に美味しい店。結局、沖縄に来てから肉ばかり食べている。
最終日、11時にホテルをチェックアウトすると、レンタカーを返すために空港方面に向かう。早くレンタカーを返して、モノレールで那覇の国際通りを散歩しようと思っていた。国際通りの周辺は、あまり駐車場もなく、車が渋滞するので、時間が決まっているモノレールのほうが、時間を有効に使える。レンタカーの返却場所に近いガソリンスタンドで満タンにして、車を返却する。バスで空港まで送ってもらい、大きな荷物を空港のコインロッカーに預け、モノレール乗り場に向かおうと空港からでたら、どしゃぶりの雨。傘ももっていないし、どしゃぶりの国際通りはまったく魅力的ではないので先に空港で土産を買って様子を見ることに。「黒糖カヌレほうき星」でいつものお気に入りにのカヌレを買い(空港店の店舗が移動していた)、雨は降り続いていたので、国際線の「Dear Okinawa」で玄米のパンケーキミックスを購入。依然、雨はどしゃぶり。国際通りはあきらめて、空港で時間をつぶすことにするが、土産をみるのも飽きて、仕方なく、また国際線のドトールに向かう。コロナ禍だからか、このドトールが混んでるところを見たことがない。喫煙スペースの席に座り、煙草を吸いながら時間をつぶした。
沖縄は「ホテル日航アリビラ」と決めて何十回も宿泊しており、アリビラメンバーズカードももらっている。そのカードのおかげで、チェックイン・チェックアウトは専用カウンターがあり、駐車場も正面玄関すぐ近く。他にもいろいろと優遇していただいている有難さに、改めて感謝の想いを強くした。自分の居場所はアリビラだと実感した。読谷の焼き肉屋に行った帰りに、アリビラに寄ってみたが、宿泊してない肩身の狭さからさびしい想いをした。一方、ルネッサンスリゾートオキナワのアリビラにはない気配りにも気づくことができた。たまには違うホテルに泊まるのもありだなと思った。
ひさしぶりのひとり旅。最初の旅を沖縄にしたのがよかったのか、悪かったのか。車を運転してても、海を見ていても、以前沖縄に来たことを思い出す。沖縄を知っているだけに、本当の意味でのひとり旅ではなかったのかもしれない。
一人旅をして気づいたこと
- 独り言多くなる
- 気に入った場所を見つけると、そこにいる時間がながくなる。
- もの思いに耽る時間が多くなる。
宿泊 ルネッサンスリゾートオキナワ
この旅でヘビロテで聴いた曲 アイナ・ジ・エンド 「大人になって」