青之丞のひとり旅日記

男一匹、ひとり旅。

山梨ひとり旅 2022.5.14~15

2回目のひとり旅は山梨県。旅の目的地は、清春芸術村と山梨県立美術館。

本来、「晴れ男」なのに、旅行は雨予報が多いこの頃。なにかの本で読んだけど、自分を「晴れ男」というのは埼玉県民の特徴らしい。本では「晴れ男」と自称する人間をとても残念な人と捉えていたことを承知している。それでも、なんの躊躇いもなくいうところは典型的な埼玉県民ということなのだろう。

家を出るころは予報通りの雨。新宿に着くころには雨はあがり、曇天の空。新宿から11時ちょうど発のあずさ17号に乗り込む。新宿からたった1時間くらで景色はがらっと変わり山の中。ぽつんぽつんと民家が。こんな山奥でどんな生活をしているのか、何で生計を立てているのか想像する。山奥に住んだことのない僕には想像もできないことを想って生きているのだろう。いろいろな場所で、いろいろな職業で、3ヶ月交代くらいで経験して、いろいろなことを知れれば楽しいだろうなぁと思う。

韮崎に到着した「かいじ17号」

韮崎で下車して、JR中央本線で長坂駅に向かう。韮崎の駅のホームから、富士山が見えた。その写真を撮ろうとホームの端まで歩いていく途中で電車が到着するアナウンスが流れ、富士山の写真はあきらめる。人がまばらの車両に乗って長坂駅まで駅4つ。約20分の乗車。長坂駅でコインロッカーに大きな荷物を預けて、清春芸術村を目指そうと思っていた。が、長坂の駅に到着すると、駅は無人駅で、駅周辺にコインロッカーはないことが判明。仕方なく大きな荷物を持ったまま。13時近くなり、腹もヘリ、もしかしたら、コロナ禍で清春芸術村のレストランが閉まっているかもしれないと思い、駅前でレストランを探すと食堂を発見。どう考えても駅周辺にはここしかないと思われる。

御食事処みなと食堂

みなと食堂のチャーシューメン

昔懐かしいチャーシューメンを食べる。腹ごしらえができたところで、タクシーに乗って清春芸術村に向かう。途中、タクシーのうんちゃんが、南アルプス天然水の工場があり、よくサントリーの人を乗せるらしいが、とにかくサントリーは金を持っていて、コロナ禍でもまったく変わらなかったと教えてくれた。

清春芸術村 ラ・ルーシュ

入場料を1500円を払い、立ち入っていい場所、いけない場所の説明を受けて入場。目の前のど真ん中に円形の建物「ラ・ルーシュ」。一面芝生なので歩いていて気持ちがいい。一番、興味があった建物「茶室 徹」まで歩く。

茶室 徹

子どもの頃テレビで見たアニメ「トム・ソーヤの冒険」のハックルベリー・フィンの家を思い出してしまう。ずっとハックの家に住んでみたいと思っていた。それが、茶室とは思っていなかった。藤森照信氏の設計で、高さ4メートルで室内は1.7坪。一般公開されていないのが残念。中に入ってみたい。

白樺図書館

中に入ることはできなかったが、「白樺図書館」。ちゃんと白樺の木が茂っている。雑誌「白樺」の復刻版や美術書が取り揃えてあるらしい。館長は谷川俊太郎氏。

ルオー礼拝堂

「ルオー礼拝堂」20世紀最高の宗教画家ジョルジュ・ルオーを記念して建設された礼拝堂。

ルオー礼拝堂の祭壇

中に入ると宗教画が飾ってあったり、パイプオルガンがある。光の具合が微妙で、時々の入光具合によって、様々な雰囲気が味わえそう。

エッフェル塔の階段

エッフェル塔の階段」エッフェル塔完成百周年の1989年にエッフェル塔の一部がフランスより、清春芸術村に移設された。彫刻はセザールによるエッフェル像。

 

セザールの彫刻

セザールによる彫刻の巨大な親指。2メートルくらいの高さがある。裏側にまわると、指の腹にちゃんと指紋の描かれている。

清春白樺美術館

清春白樺美術館」「白樺」の運動に参加した芸術家の作品が収められている。バーナード・リーチの作品や「白樺」の創刊号から最終号まで展示してある。大昔に読んだ「友情」の著者・武者小路実篤の生写真が展示されていて、初めて実篤のお顔を見ることができた。

オブジェ

このオブジェはタイトルとか由来の説明が一切なく、案内にも掲載されていない。でもこれが一番印象的だった。勝手なイメージだけど、水滴の中の家。周りから丸見えなので落ち着かないと思うが、特に雨に日にここで過ごしてみたいとおもった。

この他にも、安藤忠雄氏設計の「光の美術館」や「梅原龍三郎アトリエ」「清春登り窯」「清春ガス窯」の展示があり、広い敷地に芝生があり、のんびり、ゆったりアートと触れ合うことができる、とても気持ちのいい場所だった。あまり大きくはないけど、ミュージアムショップもあり、いつも実術館を訪れた時のように、絵葉書を数枚購入。唯一の難点はアクセスが不便なこと。再び、長坂駅に戻る手段がない。たまたま、ランチをした「みなと食堂」でタクシーの電話番号が掲示されていたので、それをメモっておいて助かった。タクシーを呼んで長坂駅に戻る。長坂駅から、甲府駅に向かう電車はほぼ1時間に1本。次の電車が来るまで約30分。駅の反対側を散歩したり、近くのベンチに座って電車を待った。とにかく、本当になにもない駅だった。

 

甲府につくと、とりあえず、武田信玄公にご挨拶。

武田信玄

ホテル談露館に辿り着き、チェックイン。駅から歩いて10分の位置。それなりのお値段のするホテルだったけど、部屋もあまり広くなく、建物はちょっと古く感じるホテルだった。部屋に入ったのはまだ16時頃だったから、遊びに出かけようと思いつつ、「ちょっと休憩」のつもりでベッドに横になったら、いつのまにか深い眠りについていた。目を覚ましたのは18時頃。そろそろ、夕食の時間だ。駅からホテルまでの道中、「武田神社」と「ほうとう 小作」の看板が気になっていた。前回のひとり旅では、夕食の時間が苦手だった。特に前回はリゾートだったので、予約して、ひとりでディナーを食べるということがとても苦痛だった。今回ははじめから「ほうとう」を食べると決めていた。甲府城を見がてら、他に「ほうとう」のお店がないか探す。甲府城には時間的に入場は出来ないと思っていたが、観光地というより公園にようになっていて、自由に出入りができる。ところどころライトアップされていたので、明日行くつもりだったが、夜に行ってしまうことに。

甲府城 鉄(くろがね)門のライトアップ

天守閣はないが、頂上から見渡すと遠くに城壁が見えて、大きな城だったことがわかる。そして城の敷地内(?)になぜかオベリスクが建っている。

オベリスク 甲府城謝恩碑

Googleマップで調べてみると、「甲府城謝恩碑」となっているが、由来はわからない。そろそろ腹が減ったので、新たに見つけた焼き肉店に行こうか迷ったが、せっかく山梨にいるのだから「ほうとう」を食べようと「小作」に向かう。

小作

はじめての「ほうとう」。メニューを見て、「ちゃんこほうとう」(エビ・タラ・ホタテ・鶏肉等)と馬刺し、焼き鳥を注文。馬刺しが食べれるところは、その昔、馬を乗り継ぐ宿場町だったところが多いと聞いたことがある。関東では小田原がそのいい例だと。甲府も城があったし、この事例にあてはまるのかもしれない。

小作 ちゃんこほうとう と 馬刺し

ほうとうは、ひらべったいうどん。みそ味に、海鮮の出汁がでていて最高にうまかった。ただ、苦手な野菜がたくさん入っている。馬刺しもうまいし、焼き鳥もほくほくで最高にうまかった。ほうとうのバリエーションもたくさんあって、今度食べる機会があったら、辛みを追加してみたいと思った。こんな店が家の近くにあったら、週2回くらい通いたいと思うくらい美味だった。人生初の「ほうとう」は大成功だった。一度もお茶をしていなかったので、カフェを探したが、どこも閉店していたので、駅のタリーズでアイス・カフェラテを飲む。山梨ではいまでも、入店時に連絡先をきちんと記入させられる。コロナ感染者が出ると連絡来るらしい。ゆっくり、まったり音楽を聴きながらコーヒーを飲み、ホテルに戻る。甲府の夜は、若者のグループをたくさん目にする。若者が10人前後で行動している。近くに大学があって、サークル活動なのかなぁと思って見ていた。あと目についたのは、居酒屋ではなく、おしゃれなバーがたくさんあった。夕寝をしたのに、まだ眠いのでシャワーを浴びて就寝した。

 

翌朝は8時に起床。若干の仕事をして、ホテルをチェックアウト。駅まで歩いて、バスの時間を確認。あまりに待つようならタクシーを使おうと思っていたが、待ち時間は20分くらいなので、1番乗り場でバスを待つ。バスに乗る事20分くらいで山梨県立美術館に到着。

山梨県立美術館

山梨県立美術館の一番の魅力はミレーの作品が豊富にあること。そして、それが常設展なのでほとんど人がいないところで、ゆっくりと自分のぺースでミレーの作品を鑑賞できること。おなか一杯ミレーを観賞。そして、たまたま偶然、フランソワ・ポンポン展が開催されていた。最初は、だれ?それ?と思っていたけど、「シロクマ」を見て、どこかで見たことがあると。「シロクマ」は写真撮影可だったのでいろいろな角度から撮影したなかから、お気に入りの1枚。

フランソワ・ポンポン 「シロクマ」

シロクマだけでなく、たくさんの動物が描かれていた。なかでも「モグラ」が一番印象的だった。山梨県立美術館は、庭にもたくさんのアートが展示されている。

 

佐藤正明 ビッグ・アップルNo.45

クローバーが咲いた芝生に大きな銀色のリンゴがあったり、時期的にバラ園のバラが咲いていたりと、あっというまに時間が経過してしまう。

バラ園と彫刻「踊り子」

帰りのバスの時間を確認して、ランチを食べるところを探す。ちょうど昼時だったので、美術館の前のピザ屋は満席でかなり時間がかかりそう。とぼとぼ道を歩いていると、甲府ミュージアムハウスがあり、レストランが併設されていて、「レストランのみの使用可」との看板を見つけ入店してみる。あまり期待せず「ビーフカレー」を注文する。見た目、ふつうのカレーなんだけど、食べてみると、すごーく美味しい。おかわりをしたいくらいのカレーだった。ピザ屋が混雑していておかげで、おいしいカレーに巡り合えた。バスで甲府駅に戻る。昨日、看板を見かけた「武田神社」までの道のりを調べてみると、片道約3キロ。帰りの特急の時間は15時15分発。あわてる旅行はしたくないので、武田神社はまたの機会に。まだ行ったことない甲府駅北口を散歩することに。

まずは昨日甲府駅についた時に駅のホームから見えて気になっていた建物。

藤村記念館(旧睦沢学校校舎)

行ってみると、藤村記念館という建物だった。もともとは学校の校舎だったらしい。ずいぶんとおしゃれな学校だ。そしてその広場の中央に武田信虎公の像があった。

武田信虎公の像

甲府駅の南口は武田信玄公が、北口は武田信虎公が鎮座している。そして線路沿いを歩くと、「甲府 時の鐘」を発見。埼玉県人にとって「時の鐘」と言えば川越だが、甲府にも「時の鐘」があった。

甲府 時の鐘

ボタンを押すと20秒後に鐘がなるとあるので、ボタンを押してみたが鐘らしき音はせず、再度挑戦すると、ブススという音がするだけだったので、故障中だったのかもしれない。特急の時刻までまだ少し時間があったので、昨晩行ったタリーズで時間をつぶし、駅で信玄餅を買って特急に乗り込んだ。

信玄公生誕500年記念の黒い袋の信玄餅と生信玄餅

沖縄のひとり旅よりは、旅を味わうことができた2回目のひとり旅だった。目的地の環境によって気持ちも変わるようだ。次は、どこに行こう??

 

 

新宿11:00発 あずさ17号 韮崎12:34着

甲府15:15発 かいじ12号 新宿16:58着

宿泊:ホテル談露館

この旅でヘビロテした曲  milet    「One Reason」

あと45都道府県 達成:①沖縄県・②山梨県